大人(学生・21歳)でも楽しめた、シアターGロッソのヒーローショーの良さを伝えます。
皆さん(特に学生や大人の方がた)、ヒーローショーって見たことありますか?
子どもの時に観に行った方もいるかもしれないですね。
ただ、大人になってからわざわざ観に行く人ってそういないと思うんです。
「子供がたくさんいるところに大人が行くのはおかしい。」って思ってたり、そもそも「大きくなったのにヒーローに対して興味を持っているのがダサい」であったり。
だからヒーローショーなんて大きくなってからは見ない、そもそも大人が見るもんじゃない。そう思っていませんか?
実際に見てみると、そういった偏見は一気に覆されます!笑
僕は大学で演劇学を専攻していることもあり、様々な舞台を観る機会がありました。(シェイクスピア、蜷川幸雄演出、学生演劇、ミュージカル、歌舞伎、etc...)
いろいろ見てきましたが、エンターテイメント性で行ったら、シアターGロッソのヒーローショーは群を抜いています!
ということで今回は実際に「後楽園のシアターGロッソ」で見てきた時に感じた、ヒーローショーの良さをお伝えします!
子供の頃の心を忘れているそこのあなた!
大人サイドから見るヒーローショーを一緒に考えて、僕と握手!(?)
いいところその①演出がすごい
先ほどエンターテイメント性を特徴としてあげましたが、なんといってもそれを支えているのが演出面!
このショーは基本的に殺陣(戦闘シーン、アクションのこと)がメインなので、それを盛り上げるための演出がなされています。他の演劇作品ではストーリーがメイン、殺陣はおまけ。みたいなところがあるので、この時点でヒーローショーは方向性が突き抜けています。
”普通に戦闘シーンを見せても子供は喜ばない”と思ったのでしょうか(笑)、普通の劇場ではありえない演出で舞台を盛り上げます!
というか劇場そのものが戦闘シーンのために作られているのです!笑
・プロジェクションマッピングを使った、映像×実物の演出。(テレビの中の演出と同じようなことが舞台上でも再現できます)
・ワイヤーを使った天井からの登場。(人が空中に浮いているって普通に衝撃ですし興奮します)
・客席通路に登場人物がやってくる(しっかり舞台と観客席の一体感を出そうとしている)
・舞台の床が動き穴ができる。そして舞台の二階部分からその穴にアクションしながら落ちていく。(8mぐらい落ちる、という普段では見れない光景は感動もの)
それ以外にも照明や音楽、煙の噴射、ありとあらゆる演出を使って観客(子供)を楽しませます。
僕はこのヒーローショーを初めて見た時(去年の12月)、感動しました。
なんだこのエンタメ技術の塊はと。
ここまで突き抜けたエンターテイメントがあったのかと。
そしてこのエンターテイメント性は子供たちを極限まで楽しませようとした結果なのだと。(←ココ重要)
子供への思いやり半端ねぇ!
他の演劇だと観客っていろんな層がいます。なので「お好きな人だけ見てくださいどうぞ」といったスタンスの舞台が多い気がする。
こうやってカスタマーを絞っていると演出も変わるんだということを思わされました。
僕は一つ突き抜けているようなシャープさのあるものが好きなので、子供向けに特化した(それによってエンタメ性が突き抜けた)後楽園のヒーローショーは大好きです。
いいところその②観客(子供たち)と舞台上(ヒーロー)との一体感が半端ない!
ちょっと真面目な話をします。
演劇を構成している三要素というものがあり、「演じる人」「演じる場所」「それを見る人」となっています。これが揃うと”演劇である”という作品への定義付けをすることが出来るのです。(演劇の授業ではこんなことを習います。)
その定義からいくと、このヒーローショーは勿論”演劇である”と言えます。
ここからが特徴的なところ。その定義の中の二つ、そう、
ヒーローショーにおいては、「観客」も「演じる人」も一体になっているのです。
大体の演劇では「観客」と「演じる人」は乖離しています。
観客は作品を眺めているだけって感じ。
(確かに感情の中では繋がっているんだけども、実際それを舞台に向けて言うことはできない。難しい話になるので今はやめておきます。)
皆さんが想像しているお堅そ~な演劇ということです。笑
ただここのヒーローショーは違いました!
「観客」は基本的に子供です。その子供たちは目の前で戦っているレンジャーに気持ちを入れて応援します。軽いおしゃべりならokなので実際に応援している声も聞こえました。
演出としても、みんなで弱っているヒーローに声援を届けるといったものが何回もあったり。
子供も気持ちが入っているので能動的に声を出す。要するに観客も積極的に舞台に参加しているのです。
「演じる人」はいいところその①で言ったように、全力で子供楽しませようとします。
なのでお互いに駆け寄っているんですよこれって。
そしてそれは舞台空間そのものを一体とさせているんです!
これってなかなか現在では見かけないと思うんです。
「観客」と「演じる人」が一つになるっていうのはそうそうあることではありません。大人な観劇は座ってみているだけで終わることもたくさんありますし、なかなか舞台と観客の間の溝って消せるものではないんですよね。それは仕方ない。
そういったことから、空間を共有することが出来ているのが本当にすごかったし、エネルギーに満ち溢れていました。
いつも斜めからしか演劇を観ない(テーマがどうとか、演出の意味とか)僕にとっては明るすぎました。。。笑
とにかく!大人になってまで一体感を感じることってないと思います。それを味わうことが出来るところがよいと思うのです!
いいところその③コスパがいい
今まで言ってきたように、「ものすごく濃いエネルギーに満ち溢れている、かつ、演出もめちゃくちゃ興奮するすごいもの」がヒーローショーです。
上映時間は30分、これで1500円です(なんか手数料とかかかると高くなります)。
さて2時間かけて何の感想も持たないような演劇がたくさんある(僕の感想としてはそういうものがほとんど)中で、相場は一番安い席で6500円とかからスタート。一番いいい席で12000円とかです。
ヒーローショーをこの舞台の上演時間と同じにしてお金を計算すると、、、6000円!
あれ?ヒーローショーが格安に思えてきませんか???コスパよくないですか???
今日のまとめ!
ヒーローショーっていうワードだけで、子供っぽいとか、まだそんなの見てるのかよ~とか思う人いるでしょう。
あえて言います。
その偏見のせいで人生の1/3は無駄にしてるぞ!
あと、なんか大人ぶって芸術品とか見あさっている人。
子供に戻れ!本当の感動は自分の幼少期にあるかもしれないぞ!
最後に、普通に演劇として興味深いです。他の演劇を見回してもこれほど異質なものはありません。
刺激が足りない人がいたら、海外とか行かずに子供がたくさんいる空間に包まれて童心に帰ってみましょう!そういう人にもおススメ!
ということで珍しく力説しました。演劇を見たことない人も、このショーは見ておいて損ないですからぜひ!