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果てしない道がつづいてる。

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 昨日の夜、僕がやっているアカペラグループAgua-Blancoのラストライブがあった。僕は今家でのんびりすごし、でも忘れないうちに昨日のことを書き綴りたいと思う。たぶん今から書く文章は僕が思っていることの1/10も伝えることが出来ないと思う。頭の中に浮かんでくる言葉や考えはたくさんあるが、細かく書きすぎてもお堅くなってしまうので、思ったことをそのまま文字に起こしていければいいかなと思う。

 

 

ライブ当日の朝 

 朝起きてから布団の中でYoutubeを見るのが日課になってしまっている。ライブ当日の朝Youtubeを開くとおススメ動画の一番上に「音楽関係者が歌下手を歌ウマにするボイトレ」の動画が現れた。

 


お願い!ランキング - 17.11.02

 

 ちなみに最近見ている動画はNBAのハイライトやお笑い系などまったく歌に関連していないモノだった。が、しかし、なぜかここにきて突然の音楽系の動画が来たので「これはお前に役立つかもよ?」と言われた気がして、関連する動画までずっと見漁っていた。

 その動画に出てくる先生はめちゃくちゃスパルタなのだが動画の中で「過呼吸になるくらいになった時何かひとつ得るものがあればいい」「テクニックなんかより結局は自分次第なんだよね」みたいな言葉を言っていた。

 

 ここ何日かに一回訪れていた「明日も生きれると思うなよ!(今に集中!!)」「俺のやるべきことは上手く歌うことではなく、目の前のあなたに生き様を届けること!」という言葉たちと先生の言葉がすごいリンクして、なにか今日という一日を素晴らしいものにしなければならないと思いながら、突然ギアを上げるのはどうなのだろうかなど思い悩み、ラストライブということもあって緊張した体と声で家を出て、集合場所まで一時間考えながら歩いた。

 

 歩いている途中、グループのラインでリーダー(バンマス)の文也が突然「卒業通知が届いていない、、、!」という緊急速報を鳴らした。たぶん学校の段取りが悪いだけで、卒業できると思うのだが、本人はライブ当日なのにそちらの方が心配になっている。なんかこの様子が微笑ましかった。我らがAgua-Blancoのラインではこういうライブに関係のない話が日々行きかっている。いつも通りのラインだ。

 また自分はAguaでの身の振り方を忘れてる。ここでは生真面目に物事を突き詰めるのではなく、あるがままに自分の身を流すのが良いと言うことをこの4年間で散々思い知らされたではないか!!

 ラストライブだからしっかりやらなくてはいけないと思っていた自意識は完全にどっかに行き、今日もいつもと変わらない一日だけれどだからこそ肩の力を抜いていつも通り誠心誠意歌えればそれでいいや!ということをリーダー文也のラインで気づくことができた。

 ちなみに昔の自分だったら、「卒業通知よりもラストライブに集中!!」と言ったり、思ったりしてモヤモヤしていたんだと思うけれど、「のんびりいきましょ~」と気持ちを変換できた自分のことを少しだけ褒めてあげたいなと思った。(彼の卒業通知は届いたようです!おめでとー!)

 

 さてそんなこんなで学校にて少し準備をしたのちに阿佐ヶ谷にあるライブハウス「あさがやドラム」に向かった。このライブハウスについては昨日のライブでも言った通り一年生の頃からお世話になっているライブハウスである。ああだこうだと言葉にするとちんけになってしまうので、上手く伝えられないのだが、この場所は最高だ。ここに出会えなかったらおそらく今回のライブも企画できなかっただろうし、いろいろなにかがずれていただろう。感謝で心がぶるぶるする。

 

ライブ本番

 本番中の話については特にそこまで細かく話をしなくていいかなと思う。昨日あの場所にいた人はもう断片的にしか覚えていな人も多いかもしれないが、それでも「何かがあさがやドラムであった」という記憶さえあればそれだけで十分である。足りすぎぐらいな気もする。

 本番に関してはもちろん内容的にレベルが低い点は山のようにあった。もうこれは「反省」というよりも「許してください!(もうコレが限界で、上手くなれません!)」の方に部類されると思う。

 どうしても毎回僕たちのライブでは和音がグワングワンしたり、テンポが駆け足どころではなくダッシュする。しかし、和音のグワングワンは気持ちが入りすぎて音と声量バランスがずれ、テンポンダッシュは早く楽しみを味わい尽くしたいから早くなったのだと思う。今回も確実に熱量があった。熱かった(体温的にも)。最近の言葉で言うとエモい(?)。テクニックよりも熱量!は僕の理想だ。歌が上手くていいことは、熱量(自分の気持ち)を届けるのにより効果的になるだけであって、あってもなくてもどっちでもいいと思う。「なんかいい」「青春感があった」とかそう言うことを届けることができた実感はある。ステージに立ってて僕たちが楽しめていたから。とりあえず何かはとどいたのではないでしょうか!?

 

 もう一つ、昨日来ていただいたお客さん一人一人全員が本当に素晴らしく、ステージに立っている最中、圧倒的肯定感を感じた。

 今回のライブは「メンバーがライブを見に来てほしい人に声をかける」集客、言ってしまえば招待制にした。もともとは身内の家族だけ呼んでしっぽり歌おうという予定だったものの、色々あってもっと輪を広げることになった。これがとてもいい形に作用し全員素敵な人が集まり、ライブが始まる前も仲間と「幸せだな~」なんて言っていた。

 他人を評価するような冷たい目はその場にはなかった。ただただ「君たちはただ存在しているだけでいいよ」という安心感を皆さんからいただいていたように思う。もうどちらがお客(受け取る側)なのかわからない。お客さんの顔を歌っている時に見ると、「いいよ!歌って!」と言っているかのような眼差しを送ってくれている。今回僕が呼んだライブハウスの一番後ろにいてビールを飲んでいた友達もしっかり顔を出して見守ってくれていた。何をしていても許される空間は、一体感がある。客席とステージの境界線が溶けていく。乱雑にまとめると、僕たちの名前はAgua-Blancoというのだが、そのAguaのメンバーが50人くらい増えた気がした。昨日来てくれたお客さん全員がAguaだった。

 

橋本家について

我が家の話を少ししたいと思う。

 今回、橋本家全員を招待した。父、母、弟である。普段僕が歌っている姿を家族は見ていない。母親だけ二回ライブを見に来てくれた。父と弟にとっては初めてのライブハウスだったと思うし、初めて僕がステージに立って歌っている姿を見る日になったと思われる。三人に渡すパンフレットに、ライブが始まる前、手書きで言葉を書いていたのだが、言葉を形にして家族へ送ることが僕にとって物凄く久しぶりで、照れながらも落としてはいけない言葉を大事に探しながら書いた。ライブハウスに来ると、父親はいつも通り、母親は機嫌よく、弟は異空間に来ているような顔をしていた(普段は野球をしているから、地下が新鮮だったのかな?)。下手側の後ろでよく僕からも見えやすいところにいた。

 ライブ本番中、驚いたのは三人とも僕にカメラを向けていたことだ。父親はデジカメ、母はスマホ、弟はPSvitaを使って、何かしらの媒体で僕を残してくれていた。もっと淡々と聞いて見ているのかなと思っていただけに、めっちゃ見てくれてる!と嬉しくなった。あとあとメンバーから聞いたところ、母親がめっちゃノリノリで曲を聴いていてくれたらしい。

 思えばいつも弟の野球の試合を家族で観に行くことはたくさんあったが、僕が何かやっているのを見てもらったことは少ない。元々僕は自分のやっていることを親に見せるのが嫌いでどんな事をしているのかよく分かってないことが多いと思う。久しぶりに息子感(元気に俺は生きています!れ)を出せたのではないだろうか。息子は楽しくやってます!!!!

 最後にお客さん全員と僕たちとで写真を撮ったのだが、父親が手を挙げて楽しそうに写真に写っていた。普段の父はテンションがわかりにくいのだが、これを見て、ああ、なんかよかったと思った。ほんわかした気持になった。

(余談だが、一番後ろにいた僕の友達もしっかり決め顔で映っていてくれて嬉しかった。沼野ありがとう。)

 そのあとも家族だけで写真を撮ったのだが、その時に父が「うちはフォーメーションがないね、決めなきゃ!」と言っていて、僕は「え!家族写真にそんな乗り気な父親初めて見た!」とびっくり嬉しかった。

 

ライブ終演後

 ライブ終演後、来てくれたお客さんと写真を撮ったり、歓談したりなんかして一通り終わったところで、今回パンフレットの写真を撮ってくれ、更にデザインまでしてくれ、更にさらにその印刷までもやってくれ、更にさらにさらに動画まで作ってくれるという素晴らしいお方I君と、ずっと当初から僕たちのライブに来てくれていたHさん、Nさんが残っていた。この三人とあさがやドラムのお父さん、お母さん、娘さん、PAさん、も混ざり合計13人で乾杯をした。こうやって輪が少しずつ広がっていくような現象を目撃することが出来て、本番中の楽しさは勿論そうなのだが、こういう人のつながりみたいなのって素晴らしいなと、レモンサワー片手に思った。更に自分たちだけにこだわらず閉じこもらず、輪を広げることが出来ているメンバー全員も素晴らしいなと思った。メンバーのこういう根本的に優しいところが4年間やってこれた理由なのではないか。

 

 あさがやドラムのお母さんから「前より顔がすっきりしているね(気持ち的に)」と言われた。半年前にも同じステージで歌ったのだが、その時は旅をしたり色々就活云々で頭がパンパンになっていた。そう考えると今はどこか腹が決まっている(予定はないけれど!)実感はあり、顔も変わっていったのかもしれない。顔が変わったと言われるのは結構好きだ。生き様は顔に現れる。ちょっとだけでもいい生き様を見せれていると思うと、もっと頑張ってかっこよくなってやる!!という気持ちがわいてくる。シンプルにとても嬉しい。

 

果てしない道はつづいてる。

 ちょっとだけAgua-Blancoのメンバーについてライブを通しての話をして終わりにする。

 今回自分の中のテーマで、観客だけでなく、メンバーのみんなに歌を届けることをやってみようと思っていた。お客さんに感謝の気持ちを伝えるのは当たり前中の当たり前なのだが、意外とメンバーへベクトルを向けることは忘れられがちだ。

 僕はこのメンバーに一方的にでも心を込めて伝えなくてはならない理由がある。半年前、意見のすれ違いで僕はこのグループを辞めようとした。結果的には連れ戻された。やめようとしたとき、一方的に抜け出そうとした。自分のことで色々と思い悩んでた時期で、今思うと結構頭が硬くなってた。ラインを退会した後、連絡がなければそれまで。呼び出されても徹底的に話し合って自分の筋を通そうと考えていた。話す仲間もいなくなったので、人を求めてヒッチハイクをした。その時いろんなことを思ったのだが何より、一番近くにいる人とのコミュニケーションを一番ないがしろにしていたなということを実感した。東京に帰ってからみんなに呼び出され、話し合った。友達を失っちゃいけないからまた戻る、とかそういう事じゃなく「つべこべ言わずにこいつらと歌え」という天命をこの時受けた気がする。呼び出されてAguaの一員として連れ戻された時、メンバーがどう思うかとかそんな事はどうでもよく、僕はこの人達を愛さなくてはいけない義務がこの時発生した。

 みんなに伝わったかどうかは分からないが、慈しみを込めて歌った。時間を過ごした。ありがとう。

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ライブが全て終わったわけだが、全く終わった感(今生の別れ)を感じない。それは今もまだラインがもりもり動いているからかもしれないし、来週、実はまだ歌う用事があるからかもしれない。だけどそれだけじゃない気がする。

 今まで、演劇の現場では今生の別れの思いをして来たことはあった。それが力になったこともあったし、別れという将来への不安ではなく今に集中することを考えさせられた時もあった。しかし、このメンバーとの関係性においては別れはない気がする。

 ドラゴンボールみたいなものなのだと思う。必要な時に集まって、また散らばっていく。いつ集まるのかはわからない。明日かもしれないし、死後の世界でかもしれない。たぶん続いていく。残念ながら他のみんなは嫌かもしれないけど、続いていくのだろう。また歌える機会を楽しみに僕は待っている。

 走れ走れ走れ 躓き転んで落ち込んで それでもほら 起き上がれば

果てしない道が続いてる。

                         『笑ってしまえ』

ギャバン!あばよ涙

ギャバン!よろしく勇気

宇宙刑事ギャバン! 

                       『宇宙刑事ギャバ ン』

 

ここまで書いて見たけれど、やっぱり伝えたいことの1/10も伝えられてない!

 文章もはちゃめちゃ!でも書きたい事は書いたし、読んでももらいたいので、ここまでー!

 

 

おしまい。