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言いたいだけの革職人

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桜の季節

もうそろそろ春だ。ふらっと立ち寄った本屋さんにはもう春の服、春の食べ物、春の花、その他いっぱいの春が現れ始めていた。寒かったり、雨だったり、まだまだ目に見えていない春が多い。少なくともまだ僕は感じれていない。けれど、気づいたら知らないうちに桜が咲き誇っている、そんな季節が今年もやってきているのだろう。

 

去年、武道館の近くで桜を感じた。あまりの人の多さにやられて、卒業式が終わってからの謝恩会やらは疲れ果てていた。懐かしい。あれから約1年が過ぎた。他の人にとって、この1年は早かったのだろうか、それとも長かったのだろうか。僕は早いとも思ったし、長いとも思った。あまりにもこの1年が訳の分からない時間だっただけに、本当に1年経ったのか疑わしいくらいだ。なにかこう、今までの1年の感じ方とは違う。しっくり来ない。何が起きたのだろうか。

 

 

我は何処へ

学生だった時とは違う。ただ1学年上がるあの感覚とは違う。だいぶ遠くまで来たなとも思えるし、そりゃ1年しか経ってないしさほど変わらないよな、とも思う。メンタリティの話である。学生だったあの頃、僕は守られていた。「学生」というそれはそれで、それなりの分かりやすい身分が付いていた。それによって、学割だとか、学生特典だとかはもちろん、他人も僕のことを「学生さん」として見る。分かりやすい。多分、今仕事をして働いている同世代の人たちも同じく「会社員さん」「サラリーマンさん」として見られるのだろう。ともかく、分かりやすかったのだ。

 

しかし、now、僕はよく分からない感じの人になっている気がする。学生の時、就活を放棄したので無職には間違いない。でもちょっとだけ仕事をしたりする。3ヶ月に一回ぐらいのペースで全国に飛び立つ。そう考えると旅人かもしれない。でも東京にいることも多い。ニートなのかもしれない。山に篭ったりもした。でもまだ見ぬ境地を目指して行った断食は3日でギブアップしたので、仙人でもない。歌うのは大好きだけれど、ミュージシャンを目指してはいない。フリーターというのも夢を追っている人になら合うけれど、僕には何か違う気がする。

 

大体、人に説明するときに困る。この間始めてフリーターという言葉を使って見たけれど、「なにかしっくり来ないなぁ、、、」と思った。どうなのだろうか。こういう現象に思い当たりがある人はどれくらいいるのだろうか。たまにSNSサーフィンをかましていると、いろんな肩書を付けている人たちを見つけてしまう。一方、どれを名乗っても当てはまりそうもない。無職/旅人/ニート/仙人/歌好き、みたいな感じでツイッターのプロフィールの文章を書こうもんなら、自分でも「こいつマジキモい!!」と思ってしまう。とにかく、分かりにくいのだ。一体我は何処へいってしまっているのだろう、、、(別に悪いと思ってないけどね!!!笑)

 

言いたいだけの革職人

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そんな意味不明な日々を送り、人を混乱させる記憶を積み重ねている僕は、より実態を掴ませない所業を始めてしまった。それは革細工、レザークラフトである。ことの発端は友達の財布探しの付き添いだった。いい感じのデパートに入って、いろんなブランド物を見た。見るたんびに「なんでこんなちっこいのがこんなに高いの!」とか「俺にはこんなの買えません!!」とか思っていた。社会人になって段々ブランド物が買えるようになっていく友達とは裏腹に、財政的な問題で土俵に上がれない僕は、「何がブランドだ!」と、何一つ悪気がないブランドに対して悪態をついていた。

 

お金はないが持て余した時間だけはある男は迷案を思いついた。いっそのこと自分で作ってしまえばいいと。安上がりだし、何より、勝手にマイブランドが出来上がる。これで質はどうあれブランド物を所有することに成功する(ここまでブランドブランドと連呼したけど、実はそこまで興味がなかったのは🤫)。

 

という事で、勝手に革を使って物を作り始めた。もはや言いたいだけなんだけれど、革職人になった。そしてそれなりに想いは懸けている。だから半分冗談だけど、半分本気だ。職人とは正式に名乗れないけど、それぐらいの気持ちと懸ける思いは嘘じゃない。

 

この話を周りの人に話したら、秒速で依頼が来た。ほぼ仕事のなかった男にとって「うひょ!」って感じである。とうとう来ちゃった!となる。ただ、先に宣言する。結果を残すつもりはない。商売も別にするつもりはない。

誰かのために気持ちを込めてつくる。つくることに没頭する。そういうことができたらいいなと思う。目指すは「革職人名乗ってもいいんじゃない?」と言われる三歩手前ぐらいを行きたいと思う。好きな人に渡すアイテムに、お土産、お花、体験談に続いて、革小物を付け足すことができるようになりたいのだ、、、!

 

 

つづく!